2017年1月21日土曜日

ラムのミルク煮



 そもそも私はラムという肉を愛すること、並々ならぬものがある。
 純粋に「肉の旨味」という観点からすると、これは疑いなく、
  ラム⇒豚⇒鶏⇒牛
 という順序になるだろうと思うのである。
 しかしながら、ラムは独特の匂いがあるので、苦手という人もあるかもしれない。この匂いも、私には「香り」という風に感じられて少しもイヤではないが、とはいえ、なにかこう新しい食べ方はないだろうかと、かねて思っていた。もともと、私はラムを食べる時は、ブラックソルトと黒胡椒だけで味をつけて、ソテーするだけの、シンプルな食べ方をもっとも佳しとするのだが・・・。
 すると、きょう天啓のごとくひらめいた調理法がある。
 「そうだ! 牛乳だ」
 というので、私はこれをミルク煮という方法で煮てみたのが、この写真である。いやあ、われながら、これは頗るの上にもう一つ頗るがつくくらい美味しい。
 作りかたは簡単で、フライパンにたっぷりのミルクを入れ、そこにラムの薄切りを入れてしばらくミルク茹でにする。
 いっぽう、ほんとにこれはたっぷりの生姜を千切りにして置く。
 さて、ラムに火が通ったら、一度ミルクから出して包丁で細く切って、こんどは生姜の千切りと一緒にその茹でていたミルクに戻し、味付けは、濃い口醤油、砂糖、そして鷹の爪の輪切り、と、これはちょうどスキヤキくらいの味付けにする。まあ、味加減が分からない人は、「スキヤキのタレ」でも買ってきて入れたら簡単かもしれぬ。
 で、これをすっかり水分がなくなるまで、よくかき混ぜながら煮詰める。その結果が、上記の写真であるが、この風情から想像するとおり、牛乳の味はどこにも残っていなくて、ただほんわかとした旨味だけが残っている。そしてなぜか肉が柔らかく仕上がるのは不思議である。
 嘘だと思うなら、どうぞお試しあれ。

2017年1月12日木曜日

新年の御挨拶


 ややおくればせながら、あけましておめでとうございます。
 この年末年始は、例によってひたすら仕事をしておりました。おかげさまで無事越年いたし、本も二冊つつがなく書き上げた次第です。
 これから『謹訳源氏物語』の文庫化のための校正にとりかかりますが、その間もひっきりなしに原稿の締め切りやら、講演の準備やらが続くので、なかなか休む日がありません。
 さるなかにも、毎日午後三時になると、お茶の時間となりますが、最近出色のお茶菓子として愛好しているのが、写真の、青木屋の「蒸かし酒まんじゅう」であります。これは多摩の銘酒沢の井の酒粕と清酒を加えて作られていて、これがじつによい香りがします。酒を使ってあるといっても充分蒸かしてあるので、アルコール分は完全に飛んでいて、私でも安全に、おいしくいただけます。アンコも上品、ふんわりと柔らかで、まことに結構しごく。だまっていると三つくらい食べたくなるので、一生懸命我慢をしているというところです。
 ただしこのまんじゅうは正月限定で、今月末までしか販売されないので、せいぜい食べられるうちに食べようと思っているところであります。