2015年11月2日月曜日

謹訳平家物語 第二巻刊行

 ながらくお待たせしておりましたが、やっと『謹訳平家物語』の第二巻が店頭に並ぶ運びとなりました。
 第二巻は、原典の巻四から巻六までの三巻を収めています。第一巻は、まだ平家全盛のころのさまざまなエピソードを描き出していましたが、第二巻になると、さしも全盛を誇った平家にも落日の影が忍び寄ります。
 それにしたがって、源三位頼政に主導された反平家の謀反が勃発、これはただちに鎮圧されるに至りますが、しかし、高倉宮がこの謀反に一味して誅殺されます。が、平家の落日を引き戻すことはできず、南都興福寺との間にも戦火が広がり、清盛は業を煮やして福原遷都の奇策に出ます。けれどもこれもうまく行かず、関東の頼朝を中心に各地の源氏が蜂起、一斉に反旗を翻すなかで、英明の君であった高倉上皇も崩御、やがて清盛も熱病によって死ぬ・・・こうして世は騒々しく動きはじめ、次第に平家の落ち目が明らかになっていく・・・というところまでが、この第二巻に語られますが、その戦乱の話のはざまに、小督の局の恋物語など、哀切な名場面、名文のところも次々と現われて、まことに読みでのある一巻です。
 どうぞみなさまぜひ、第一巻につづき、第二巻のご購読を賜りますように。