2013年2月8日金曜日

岡本和久君

昨夕、投資教育家の岡本和久君と久しぶりの会食を愉しんだ。といってもこれもまた仕事の一環で、岡本君が主宰している「インベストライフ」という雑誌に掲載する対談が主な目的であった。
岡本君のプロフィールは次のサイトに詳しい。

 http://www.i-owa.com/seminar/okamoto.html

さて、経済畑の岡本君と、文学畑の私とは、あまり接点がなさそうな感じがするかもしれないが、実は、はるかな昔、慶應義塾大学に在学中、私どもは同じクラブの仲間であった。それはクラシカル・ギター・クラブという、クラシックギターだけを演奏するというまじめなクラブで、私はその副代表を務めていた。岡本君は、ギターばかりの大合奏団の指揮者とソリストを兼ねていた、大変な音楽好きで、いまでもそのOB会の主要なメンバーでもある。
そんな関係で、若い頃からの古き良き知友なのだが、彼は日興証券から国際畑を歩き、今は独立し、個人を対象として、いかにしたら「品格ある投資」によるよりよき将来を築くかということを啓蒙する、IOウェルス、という会社を経営し、ひろくセミナーなどを開いている。そしてそういう品格ある投資が、結果として自分のためにもなり、また世のため人のためにもなるという、高いモラルに根ざした、美しい投資活動ということを一般の人たちに教育啓蒙しているのである。
人生観や、価値観、また社会的な意識など、私どもには共通の考え方が多く、経済畑に岡本君のような人がいてくれることは、この暗澹たる世の中の、せめてもの救いだと、私は考えている。
きのうも、人生のこと、命のこと、社会貢献のこと、教育のこと、おおいに談論風発して愉快な一夕であった。
ちなみに、目の前に置いてあるものは、人生におけるお金の使い方を教育または自覚するためのアメリカ製「豚の貯金箱」で、投入口、取り出し口、貯金槽、いずれも四つにわかれ、頭のほうから順に、SAVE, SPEND, DONATE, INVEST となっている(この貯金箱を岡本君の会社で輸入販売する由)。お金は、ただ貯金(SAVE)するだけでなく、有意義に使う(SPEND)することも大切、世のため人のために義捐(DONATE)することも大切だし、さらに将来を見据えて正しい投資(INVEST)をすることもなくてはならぬということを示している。大切なことは、投資というのは、ただ金もうけのために株や債券などを買ったり売ったりする「投機」とはまったく違う営為だということである。株は、社会のために良いことをする会社を見極め、その将来性をよく量って株を持ち(株を買うことで、その良い会社に助太刀をするというような心がけとでも言おうか)、目先の欲得で売ったりせずに何十年と長く持ち続ける、そういうものだと彼は教える。詳しくは岡本君の著書『賢い芸人が焼き肉屋を始める理由』(講談社α新書)などに就かれたい。