2011年3月23日水曜日

我が節電

 東京の計画停電はまことに不便で、とくに近所の店という店がしまってしまうので、なにもかもはかどらない。ここは、ひとつ大いに智恵を絞って節電に励もうというわけで、まず私は、いっさい暖房をしないで仕事をすることに決めた。もともと暖房は好きではないので、部屋の空気を暖めることはしないのだが、ただ書斎は床暖房になっていて、頭寒足熱の寸法でやっていた。が、今般、節電のために、いっさい床暖房も加湿器もつけないことにした。また仕事用のスタンドもLEDに変えてやっている。しかし、この寒波で夜などずいぶん冷える。これを乗り切るために、私は、二リットルのペットボトルに45度かそこらの湯を入れて、それで足下にゴロリと転がしておく。こいつを足先でちょいちょいと挟んだりするだけで、ずいぶん寒くない。で、足には、ご覧のように、羊の毛皮の室内履き(これはカタログハウスで通販しているもの、とても温かい)を履き、その中には、ユニクロのフリースソックスを履き、足の方は内側にフリースが張ってある非常に温かいズボンを穿いて、綿入れの袢纏を着て、首にはマフラーを巻き、頭には勉強頭巾を被って、おさおさ怠りなく防寒に努めながら、寒気凛冽たる書斎でせっせと『謹訳源氏』にいそしんでいるのである。皆さまもぜひ、そのようにして節電に協力いたしましょう。