2011年1月4日火曜日

だしとコンニャク

 正月のテレビはしょうもないけれど、たまたま寝そべって見ていたら、松岡修造の『食いしん坊万歳』の回顧編をやっていた。そこで、山形の郷土料理の「だし」というものを作っているのを見た。作り方は至極簡単で、要するに各種野菜を生でみじん切りにして醤油をかけるというだけのものなのだ。色々な野菜を入れることで、野菜から自然の出汁がでるから「だし」と呼ぶのだそうである。さっそく、きょうそれを真似て作ってみた。冷蔵庫を探ったところ、白菜、キュウリ、人参、茄子、生姜、柚子、などがあったので、ともあれこれらをみなみじん切りにして、まな板のうえで良く叩き、減塩醤油と、柚子を搾って少々風味を加えた。で、それが上の写真であるが、これがほんとうに不思議なほどにおいしい。あいにくといまは冬のさなかだが、これを、茗荷だとか青じそなどを加えた夏野菜で作ったらさらに旨いだろう。家によっては昆布など入れる場合もある由だから、ちょうど今うちにある「がごめ昆布」などを少々加えたら、ネバが良く出てさぞ旨かろう。料理というものは、複雑なことをすれば美味しいというものではなく、極意は、いかにして素材の旨みを活かすか、そこにかかっている。写真の向こうの鉢は、糸魚川の手製コンニャクの煎り煮である。これまた最高に旨いにもかかわらず、カロリーはほとんどゼロ。結構至極なる逸品。