2009年7月9日木曜日

禁煙うちわ

この写真は、先日、浜松で講演の折に、同地の開業医で、タバコの
害をなくすために浜松を中心として力を尽くしておられる加藤一晴
医師から頂戴した「禁煙うちわ」というものである。私は、このウ
チワを手に『枕草子』の講演をして、どうか一人でも多くの方が喫
煙などという百害あって真に一利なき愚行から足を洗われるように
一言お願いを申し添えた。聴衆は全員ご婦人がたで、喫煙者はおそ
らく一割にも満たない少数であったと思うけれど、その夫はおそら
く半分以上喫煙者で、その夫の吸うタバコから出る猛烈なる毒ガス
によって、受動喫煙の害を受け、肺気腫、肺ガンを始めとして、あ
らゆる病気を身に受けることになる、という現実に、ご婦人がたも
目覚めてほしいのである。そして、一日も早く、夫たちに喫煙をや
めさせるように努力してもらいたい、とそういう願いを申し上げた
ところである。ちなみに、会場となったホテルコンコルド浜松のロ
ビーには「喫煙コーナー」などというものが設置してあったので、
加藤医師と二人でホテルに申し入れ、よく考えてほしい旨を話した
ところ、翌日にはすべての喫煙場所がロビーから撤去されて、少し
でも安全な空間となっていたことを、私どもは嬉しく思った。すべ
てのホテル、レストラン、喫茶室、バー、などは今や世界標準と
なっている「完全禁煙」ということを断行されるよう、切にお願い
したい。禁煙にしても客は減らないということは、幾多の調査がこ
れを証明している。喫煙者を基準に物事を考えてはいけない。日本
の総人口の七割以上は非喫煙者なのだから。子どもや女性や、そし
て非喫煙者たちを、受動喫煙の大害から守るべく、ぜひWHOの標
準に従って欲しいものである。